家庭的な雰囲気の中にも緊張感をもって仕事しています。
綺麗に早く仕上げるをモットーに
安城製作所は、多品種少量生産を得意とし、幅広い業種の企業を顧客に持っています。お客様のニーズに合わせて多種多様な部品を製造し、ものづくりの基盤を支えています。
その「口コミ」が国内外に広がるのは、高い技術力と柔軟な提案力に裏打ちされた信頼の証です。
先輩からの声
安城製作所の最大の強みは、手作業で汎用機を使い、製品を一つ一つ丁寧に作り上げていくところです。
一見、時代遅れに見えるかもしれませんが、長く受け継がれてきた技術を今も活かしている点は、他にはない強みです。もちろん自動加工の技術も向上し、性能面での差は縮まってきていますが、安城が今も生き残っているのは、こうした独自の技術と背景があるからだと思います。
スタッフインタビュー
おおいし たくみさん
2023年入社
機械加工・部品製造 技術者:旋盤工
お仕事の内容を教えてください
旋盤工なので、円状の部品がぐるぐると回転しているところに加工を加えていきます。1年目であろうと、ひたすら加工の仕事です(笑)。とにかく実際にやるしかありません。
今は、どの業界でも人材不足が大きな課題だと思いますが、製造業も例外ではないと思います。だからこそ、1年目でも2年目でも関係なく、現場で即戦力として働きます。
製品ができるまでには、設計(CAD)や加工といった工程がありますが、私たちの会社はその中でも加工を専門に行っています。
自分はどちらかというと設計よりも「作る」ほうが好きなため、加工側の仕事を選びました。もちろん、加工の知識がある人が設計できたら完璧かもしれませんが、そう簡単な世界ではないと思いますし、どちらも中途半端になる恐れもあります。設計の方たちも、それぞれのプロとして尊敬しています。
入社のきっかけを教えてください。
ー ものづくりへの思い
何よりもまず、「ものづくり」に携わりたい、自分が生産する側に立ちたいという思いを持っていました。消費者としてお金を使って物を手に入れることで満たされる発想もありますが、自分の場合、それだけでは心が満たされない。
そんな思いを持ちながらも、最初に就いた仕事は神主です。大学で資格を取り、神社に勤めましたが、働く中で、自分の考えとは少し違う部分があることに気づき、職を離れました。
「ものづくり」としては、以前、3Dソフトを使ってネット上で制作活動をしていましたが、長時間の画面作業で目に過度な負担がかかっていました。オフィスでのパソコン業務に携わっていましたが、このまま何十年も「デジタルの世界」で働き続けることに違和感を覚え、やはり自分の手で実際にものを生み出す「フィジカル勝負の現場」に立ちたいという思いが強くなっていきました。
そのような中で出会ったのが旋盤工の仕事です。
「自分の手と身体で勝負する職人仕事」というのは、今では少数派かもしれませんが、むしろそこに大きな魅力を感じます。周りが右を向くとき、自分はあえて左を選ぶタイプだったりもするので(笑)。
ー 自分たちの手と技術が主導権を握る
この仕事は表立って「どうだ」と主張するようなものではなく、目に見えて評価されることも少ないかもしれません。それでも自分が作るものが人や社会を支え、動かしていく力になる。そんな「ものづくり」にこそ、自分の理想や仕事への誇りを感じています。
ここでは汎用機を使った手作業が主軸にあります。今のように多くを自動機に任せるのとは違います。自分には師匠のような存在の方がいて、その方はよく「今の時代は、人が機械に使われているようなものだ」と言っていて。ここでは機械任せではなく、自分たちの技術が主導権を握って勝負できる場です。
社長からもそのようなお話を伺い、自分の考えにぴったりだと思って入社を決めました。
仕事のやりがいはどのような時に感じますか?
一品一品を自分の手で仕上げ、その製品が世の中で使われていると実感する瞬間、「よし、やってやったぞ」と心の中で密かな達成感を味わいます。自分で手柄を誇るわけではありませんが、「いい仕事ができた」「自分の技術が役立っている」と思えることが、何よりのやりがいです。
この仕事は、誰かが担わなければならない重要な役割だと感じています。インフラの一部のような存在です。ブルーカラーや3Kと敬遠されがちな業種ですが、もし皆がこの仕事を避けるようであれば、社会は成り立たなくなってしまうと思います。
少し大げさに聞こえるかもしれませんが、日本というチームの中で、自分にも役目があって貢献できていると思えるのはとても充実感があります。資源の少ない日本において、「ものづくり」はなくてはならない大切な仕事だと信じています。
仕事を通じて成長を感じた瞬間はどんな時ですか?
まさに毎日が勝負で、日々成長を感じながら仕事をしています。
安城製作所の特徴として、多品種少量生産があります。大手が自動化によって大量に同じ製品を生産するのに対し、私たちは一品一品に対応し、最初の試作段階から携わることが多いです。大量生産が始まる前の「スタートライン」の作業を引き受けており、これを担えるのは技量がある町工場ならではだと感じています。
毎日のように新しい図面が届き、「どうやって加工するのか?」と試行錯誤する日々です。そのような中でも、日々の経験や感覚を活かしながら対応を続けています。毎日が同じではなく、昨日と今日は確かに違う。そんな日々を重ねながら仕事に向き合っています。
困難や乗り越えるべき課題に直面したときは、師匠の姿を思い出します。「自分もいつか師匠のように、名前で仕事を指名される職人になりたい」と思いながら日々取り組んでいます。周囲から信頼されている先輩や師匠たちの姿こそが、自分の成長の支えであり、大きな励みになっています。
会社での印象的な体験について教えてください。
材料を決まった寸法に切る作業を「つっきり」と言うのですが、自分は怖さもあり、ゆっくり作業をします。一方、師匠(77歳)は「ガガガガーッ」と、まったく恐れることなく大胆に進めていて。57年の経験からくる技量と度胸だとは思うのですが、自分にとってお手本である師匠の技を目の前で見て、経験と感覚の違いを痛感しました。
一度、自分がその速さを真似したら、社長が「おいおいおいおい」と止めに来ました。とにかく同じ作業をしていても、自分がやるのとは次元が違います。まるでメジャーリーグとリトルリーグの違いのように、同じ加工でも別物のステージです。
師匠の仕事ぶりは、まさに「戦い」のようです。熟練の速さと安全を兼ね備えた技術は、教えられて身につくものではなく、見て学び、ようやく到達できる完成形だと実感しました。師匠の動きには、見ているだけで驚きと恐怖を感じるほどです。
師匠は現在77歳ですが、65歳のときに脳出血で左半身に痺れが出てしまったそうです。それでも15年間この仕事を続けている姿を見ていると、「若い頃の全盛期は一体どんな“化け物”のような職人だったのか」と想像してしまいます。
この仕事は、強い表現で例えると「戦い」です。それだけ命に関わる仕事でもあります。冗談抜きでそういう仕事です。
入社前から、この仕事が命に関わることは理解していました。だからこそ、常に緊張感を持ち続け、もし慣れてきたと感じるなら、それは危険だと思います。僕はこのまま、恐れを持ち続けた方がいい思って、仕事に取り組んでいます。
製造業における永遠のテーマ
製造業のテーマとして「技術の継承」があると思います。
安城製作所での今の自分への指導方法は「見て覚える」部分もあれば「ちゃんと教えてもらえる」の両方です。
よく寿司職人の世界で「見て学び、10年かけて腕を磨け」と言われますが、自分たちの世代から見ると「10年は長すぎる」という感覚があります。ですが、実際のその10年は、基本を教わりつつ、さまざまなイレギュラーに対応できる基準や応用力を身につける大切な期間だとも言えると思います。
自分でやってみて感じるのは、この仕事にはマニュアルでは到底表現できない部分があるということです。もちろん、マニュアルは仕事の標準化や効率化に役立つ面もありますが、誰にでもできるような仕事にとどまってしまう場合もあるかなとも思います。
「この人にしかできない」というのが製造業の誇りであり、そのためには実際にやって覚えることが不可欠です。特に、この仕事では経験や思考錯誤から身につける、職人それぞれの「感覚」が大切だと思います。危険なことや基本的な部分は指導してもらいますが、最終的には見て学び、経験を積んで身につけることでしか習得できないところだと感じています。
師匠たちのように「この人だから頼みたい」と言われる仕事を目指す。それがこの業界で必要とされることだと考えています。
仕事を続けるために必要な力
人それぞれだとは思いますが、この仕事では、やはり肉体的にも精神的にも強い人が多いと感じます。
新人の頃は、ひたすら部品の加工作業を続けるのですが、旋盤工の仕事には腕力や体力が求められます。毎日この作業を一定の時間こなせるかどうかで、その人の筋力や忍耐力が自然と見えてきます。そうした適性を見極めた上で、旋盤工やフライス工といった担当が割り振られていきます。
社長も現場で長年作業してきた方なので、そうした基準をよく理解しており、適切に判断されているのだと思います。
この仕事には、本人の意思だけでなく、ある程度の身体的な資質も必要で、どうしても向き不向きが出てくると感じます。
職場の雰囲気や同僚との関係について教えてください。
現場では皆、黙々と業務に取り組んでいて、オンとオフがはっきりしています。作業中は非常に厳しい雰囲気で、煮詰まっていたり忙しいときは、自分もスイッチが入っています(笑)。
これは怪我の危険があるためで、下手をすると命に関わります。冗談抜きで、旋盤工などでは特にそうです。安全基準を自分でしっかり持っていないと、大きな事故につながる可能性もあります。
一方、オフのときはかなりラフです(笑)。お昼ご飯も皆、近くに住んでいるので買いに行ったりしています。自分も、会社の近くに引っ越してきました(笑)。
会社の魅力や強みは何だと思いますか?
安城製作所の最大の強みは、手作業で汎用機を使い、製品を一つ一つ丁寧に作り上げていくところです。今ではボタン一つで自動加工が主流になっていますが、自分がこの会社に入ったのも、この手作業によるものづくりに惹かれたからです。刃物を自分たちで研ぎ、理想を追求しながら製品を作る――これが安城ならではのスタイルです。
自分も真似をし、見習いながらやっています。
一見、時代遅れに見えるかもしれませんが、長く受け継がれてきた技術を今も活かしている点は、他にはない強みです。もちろん自動加工の技術も向上し、性能面での差は縮まってきていますが、安城が今も生き残っているのは、こうした独自の技術と背景があるからだと思います。
また、社長や師匠からは、「技術を教えたら会社に残ってほしいけれど、安城で4、5年経験を積めば、君はどこでもやっていけるよ」と言っていただいています。この言葉から、自分の将来のことも考えてくれている。
景気の良い時も悪い時もあり、何が起こるかわからない、会社が経営的に厳しかった時期もあったそうです。
安城では人材不足を解消するためだけでなく、社員ひとりひとりがフットワークを軽くしてどんな状況にも柔軟に対応できる姿勢を持つ。会社にとっても自分にとっても大切なことだと感じています。
この仕事に興味を持っている方へ、メッセージをお願いします
逆に「本当に良いの?」と思うところもあります(笑)。
製造業の現場では、長時間立ち作業をしたりと筋力・体力を使う場面も多いので、ある程度「これくらいはやる」というイメージを持っていた方が良いとは思います。
実際に入ってみないとわからないこともありますが、今はネットで事前に情報を調べられる時代でもあるので。
会社側も新しく入ってくる方がすぐに辞めてしまうことの課題もあると思います。その人にとってもキャリアの面で良くないですし、会社としても人材育成をされていると思うので、お互いにとってもったいない。
面接の段階で少しでも疑問や不安があるなら、できるだけ解消してから入社し、迷いのない状態で臨めたら理想ですよね。簡単なことではないと思いますが、とても大切なことだと思います。
スタッフインタビュー
まつしま さん
2017年入社
事務職
お仕事の内容を教えてください
お客様からの受注入力処理や、外注先への発注手配を行っています。また、細かな業務としては、材料の発注や梱包作業なども担当しています。
パソコンを使った作業だけでなく、さまざまな業務に対応しています。
入社のきっかけを教えてください。
前職は、洋服のパターンナーでした。その当時は都心まで電車で通勤していましたが、子どもを出産してから数年、体力的・精神的に限界を感じるようになり、近場で続けられる仕事をしたいと考えて転職活動を始めました。
地元の足立区では前職と同じ業務の仕事は見つからなかったため、それだったら初めてのことでもやってみようと思い、事務職で探しました。こちらは未経験者も歓迎とのことだったので、応募したことがきっかけです。
職場の雰囲気や同僚との関係について教えてください。
事務職は3〜4人で動いており、小さな部屋で作業しているため、隔たりがなく、コミュニケーションが取りやすい環境です。たわいもない話をすることもありますし、わからないことがあれば「ここはどうしたらいいかな?」と気軽に聞いたりしています。年齢が近いこともあり、話しやすい雰囲気です。
また、パソコン業務に関しては、わからないことがあれば、他の人が解決できる方法を知ってる場合、知恵や経験をお互いに伝え合っています。「これはこうすると早いよ」など、各自のスキルをその場で共有することで、みんなで一緒に技術を身につけていくことができます。
仕事と家庭・子育ての両立について
前職では、仕事が終わる時間が遅く、子どもが熱を出したり用事があったりしても、なかなか休みにくい環境でした。しかし、こちらでは、仕事と子育ての両立のことをいろいろとわかってくださり、社長も「いいよ、いいよ。休みな。」と言っていただけます。
休む際には申し訳ない気持ちがありますが、自分がいない時にはチームで手分けして対応してもらえるのでとても助かっています。例えば、他の事務の方が「代わりにこれやっておくね」と言ってくれることもあります。
リーダーは、みんなの役割をしっかり把握してくださっているので、お互いにサポートしやすい環境が整っています。また、こちらから「これを手伝ってほしい」と言いやすい雰囲気もあり、とてもありがたく感じています。
会社での印象的な体験について教えてください。
入社して1年目のことですが、現場から上がった品物を加工をするために協力会社さんに出す際、私は何気なく積んで出そうとしました。しかし、社長が「それじゃだめだよ」と。
社長は、もしそのまま、きちんと扱わずに出してしまうと、その程度の製品だと思うかもしれない。たとえ安いものでも、ちゃんと並べて一段ずつに分けて、ていねいに扱うんだよ。それが、最終的に品質の良い品物に繋がるから。自分達が大事に扱うことで、他の場所でも大切に扱ってもらえる。と社長から教えてもらったことが、今でも強く印象に残っています。
社長の製品に対する思いを知った瞬間でした。「あぁ、そうなんだ」と感じ、何気ないことでも気遣いがあることで、人の気持ちも、製品の品質も変わってくるのだと学びました。
仕事を通じて成長を感じた瞬間はどんな時ですか?
毎日パソコンを使っているので、少しずつスキルが向上したと感じています。主に使っているのはエクセルで、あとはメールのやり取りもあります。エクセルの教室に通ったわけではなく、特別な技術はありませんが、業務に支障が出ない程度には成長できたと思っています。
午前中はメールのチェックを行い、午後からは梱包作業などをこなしています。自分で時間の配分を決めて、効率よく進めるようにしています。
仕事の優先順位の付け方も教えてもらいました。最初は何を優先すべきか分からなかったので、すぐに確認して「どれを先にやればいいですか?」と聞きながら覚えていきました。
また、自分の作業時間を測ると良いとアドバイスをもらい、それを実践しました。例えば「この時間にこれをやる」「この時間に次の作業を入れる」といった時間管理ができるようになりました。無駄な時間を使っていないか、限られた時間内で効率よくこなす方法を教わり、少しずつ慣れていった感じです。
現場との連携はどのようにされていますか?
何かあった時は、私たちもすぐに工場に聞きに行くことがあります。少し邪魔かもしれませんが(笑)、現場には結構ずかずかと入っていくこともあります。お客様から加工内容について質問を受けることもあるので、そういったことを現場に直接伝えに行くこともあります。
声をかける時は、少し考えて遠くから見て、気づいてもらえるようにします。「ちょっと…すみません…」と遠くから声をかける感じですね(笑)。
タイミングも、だんだん慣れてきて、手元や表情を見て、今は声をかけない方がいいかな、今なら大丈夫そうだな、などと判断できるようになっています。
(大石さん)
作業に集中しているときは全然気づかないのですが、一つの作業が終わって「よしっ」となった瞬間には、気配を感じることがあります(笑)。危険も伴う現場柄、いつも気を使ってもらっているなと感じます。
今後の目標や挑戦してみたいことは何ですか?
現場のスケジュール管理やツールの導入については、まだ十分に活用できていない部分があるので、業務を効率的に進めるために、良い方法はないかなと思っています。
現在、やり取りは紙ベースで行っている部分が多いため、少しずつデータ化し、効率化を進めることができたらな、など。具体的にどうしていくかは、まだ先の話になりますが、事務の皆でそういった課題についての意見を出し合ったりしています。
業務がより効率化し、流れをスムーズにできたら、私たちも現場への確認を減らすなどで、製作の方たちもより集中できるようになるかもしれませんね(笑)。
それがより良い品質につながっていくなど、さまざまなメリットにつながるだろうなと思っています。
会社の魅力や強みは何だと思いますか?
直接お客様から評価を聞く立場にもありますので、リピート注文をいただいたり、「品質が良い」という声をいただくと、現場でいかに良い製品が作られているかを実感します。
また、少し率直な話になりますが、日頃から数字に触れる仕事をしているので、売上が上がるとやはり嬉しい気持ちになります。
私がここに入ってからは浮き沈みも少なく、ありがたいことに、ほとんど暇な時期はありませんでした。他の会社では「暇になってしまった」という話も耳にしますが、安城製作所では常に忙しく、充実感を持ちながら働ける環境だと実感しています。
「安城さんでお願いしたい」というお声は、わたしたちにとっても誇りに思いますし、胸を張れる安城製作所だと感じる瞬間です。
未経験での転職、事務職をやってみたいと思っている方へメッセージをお願いします。
事務職に関しては、まずは「やってみよう」という気持ちが大切だと思います。
私も年齢的に、事務職の募集は若い方向けが圧倒的に多いことを感じていましたが、ダメ元で応募しました。
だからこそ、やってみないとわからないと思います。どんなことでも挑戦してみて初めてスタートが切れると感じています。